
今回も、『読まずにわかる英語のニュアンス図鑑』を参考に、gameとmatchの違いについて勉強した。その過程で発見した両者の違いを定義する独自理論を特別に無料公開する。^^;
gameとmatchの違い
gameは団体戦、matchは個人戦で争う競技というのが基本的な違いらしい。
例えば、baseball game、basketball、dodge ball gameなど、複数のメンバー同士で勝敗を競う。某国のように、大人数で統一された演技を披露するマスゲーム(mass game)もgameと呼ばれている。
matchの方は、boxing match、tennis match、 sumo matchなど、個人と個人が戦う競技を指す。
「へー、なるほど」と思った。確かにboxingなんかでtitle matchとか、return matchとか良く耳にする。boxingでtitle gameなんて聞いたことがない。納得。
要するに団体競技はgame、個人競技はmatchということだ。
でもちょっと疑問に思った。卓球(table tennis)みたいに、個人戦もあれば、ペア(pair)や団体戦(team competition)のある競技はどうなんだろう?柔道(judo)なんかも、最近のオリンピックでは団体戦もあったりする。
卓球(table tennis)は、団体戦があるとはいえ、「tennis」が付くだけにやはりtennis同様table tennis matchと考えるのが妥当だろう。
柔道(judo)も基本的には個人戦なので、団体戦があってもdudo matchとなるのだろう。
歴史的にとか、基本的にとかという観点から判断すればいいと考えられる。
ところで、『読まずにわかる英語のニュアンス図鑑』には、付記がある。
「1点を競うスポーツ競技をgame、複数のセットで勝敗を分けるスポーツをmatchと言うこともある」
ここで私は悩む。それではバレーボール(volleyball)はどっちになるんだろう?団体戦という見地からはgame、複数のセットの立場からはmatchになる。
そういえば、tennisもtable tennisも複数のgameやsetで構成されている。また基本的に個人競技でもある。tennisやtabletennisがmatchに振り分けられる理屈は何だろう?
私はtennisには詳しくないので一度調べてみることにした。以下のことがわかった。
- 最小単位の試合をgame。
- 規定のgame数を先取した方がsetを獲得する。
- 規定のset数を先取した方が勝利する(matchを制する)。
例えば6gameを先取すると1setを獲得。2setを先取したらmatchを制する(3set matchの場合)
tennisの試合の中で、game、set、matchという3つの使い分けがされていた。そして試合全体をmatchと呼んでいることがわかった。table tennisの場合は11point先取で1gameを獲得し、規定のgame数を先取した方がmatchを制する。tennisにあるsetはなかったが、規定のgame数を先取するという点では同様の試合形式であることもわかった。
ここまで来てわかったことがある。gameやsetよりmatchの方が上位、あるいは統括的な概念のようだということだ。
volleyballの試合形式はtennisやtable tennisのように最小単位のgameがなくてsetが最小単位になっている。
1setにつき25pointを先取した方がそのsetを獲得し、3setを先取した方が勝利する5set match制だ。
確かにvolleyballの試合でも、あと1ポイントで各セットの勝敗が決まる時にset point、試合の勝敗が決まる時にはmatch pointと言ってる。setをgameと考えればtable tennisと同じ試合形式といえる。
個人か団体かという区分よりも、gameあるいはsetの有る無しの方が優先順位が高いのではないかという、私の見解を得た。
私の見解をまとめると次のようになる。
- 試合形式に最小単位のgameやsetはあるか?あればその競技はmatch
- gameやsetが無い場合、個人戦か団体戦か?個人戦ならmatch、団体戦ならgame
すべてのスポーツ競技を調べてはいないが、果たして正しいだろうか?
ところで、『読まずにわかる英語のニュアンス図鑑』にはまだ付記があった。
イギリス英語では、アメリカ発祥のスポーツをgame、それ以外のものは一般的にmatchを使う
「なんじゃ、そりゃ!」
今までの苦労が水の泡と消えていく音が聞こえる。
しかし、待てよ。案外私の「理論」(^^;)と重なるのではないか?
baseball、basketball、American footballなど、アメリカ発祥のスポーツは団体競技なのでgameと呼んでいいスポーツが多い。例外はvolleyballだ。
アメリカ発祥のvolleyballは、私の理論ではセット形式だからmatchだが、発祥地理論ではgameになる。憎らしい。
と思って色々調べてみると、volleyballについては、gameとする意見とmatchとするものの両方あることがわかった。嬉しい。^^;
イギリス発祥のスポーツといえば、golf、rugby、tennis、table tennis、cricket、badminton、boxing、hockey、fencingなどがある。
golfにはmatch playといって、1対1で対戦する競技形式があるぐらいだから、当然matchだ。golfは基本的に個人競技だし。
rugbyの試合は、例えば国際親善matchというように、rugby matchというのが一般的らしい。またsoccerのビデオ判定(VAR:Video Assistant Referee)に相当するのをrugbyではTMO(Television Match Official)ということがわかった。matchに違いない。
cricketはbaseballの原型のようなスポーツで、pitcherみたいな人が平べったいbatのような棒を持った人にballを投げているのをよく見る。だから、baseballと同じでgameで良さそうなものだが、イギリス発祥なのでgameではなくてmatchということだ。私の理論とは矛盾するが仕方がない。^^;
待てよ、cricketの試合形式にsetがあるかまだ確認していなかった。調べたところset形式ではなかった。規定投球数の中で、打って走って点数を多く稼いだ方が勝ちというルールということだった。残念。cricketに関しては発祥地理論に屈した形になった。くそっ!
badmintonはtable tennisと同様の試合形式で、21point先取で1gameを獲得し、3gameの内の2game先取で勝利する。最小単位のgameで構成されているからmatchで、私の理論にもかなっている。嬉しい。
hockeyの試合形式は1quater15分で4quarterの合計60分の中で獲得したpointで勝敗を決する。
quarterをgame、あるいはsetと考えれば私の理論に合致する。
しかし、待てよ。American footballもquarter制をとっている。団体競技ということでgameに区分されているが、hockeyと矛盾してしまう。残念だがhockeyも発祥地理論に屈してしまった。
fencingはどうだろう。個人戦の予選プールでは、3分間に5ポイント先取で勝利となる。決勝トーナメントでは、3分間x3セットの9分間に15ポイント先取した方が勝利となる。つまりsetで構成されているので、私の理論にこれまた合致する。快感。
こうして見てきた限り、私の理論に合致しなかったのはcricketとhockeyだった。gameやsetがない団体戦なのにmatchだった。何かのマッチガイじゃないだろうか?^^;苦しい。
結論としては、完璧ではないが私の理論で良いと思う。
- 試合形式に最小単位のgameやsetはあるか?あればその競技はmatch
- gameやsetが無い場合、個人戦か団体戦か?個人戦ならmatch、団体戦ならgame
cricketやhockeyのような例外もあるが、たとえ間違えても命に別状はない。
参考文献:
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