
今日は『英語のニュアンス図鑑』で冠詞の使い方を勉強した。
冠詞は日本語にはないので、正確に使える自信がいま一つ持てない。
- 初めてや不明の名詞には不定冠詞のaかan(名詞が母音の場合)を付ける。
- 既知の名詞には定冠詞のtheを付ける。名詞が母音の場合はtheの発音が変わる。
このぐらいにの知識しかない。中学で習った程度の知識のまま、それ以上のことは無関心だったり、わかったつもりでいた。
今回いろいろなことがわかった。冠詞はもっと奥が深かった。冠詞の使い方で色々の表現ができるのだ。
複数名詞に付く冠詞の使い方
話し手と聞き手の間で特定されている名詞には、単数でも複数でも関係なく定冠詞のtheを付ける。
- The cars were sold yesterday.
例えば中古車の販売店の店員と客との会話。客は昨日も来店して、いくつかの種類の車を試乗して、どれも気にったが決めかねた。もう一度試乗してから購入を決めようと思って翌日も来店してみたら、「あの車はみんな昨日売れちゃいましたよ」と言われた。
- Are there any cars I might like ?
がっかりして客は、「それじゃ、私の好みの車は他にありますか?」と店員に尋ねる。
- 二人の間ではまだ車は特定されていない。
- 二人の間では複数の車を想定している。
- 疑問文である。
以上の理由からanyが使われる。
- Yes, we have some nice cars you would like.
商機を逃したくない店員はもちろん、「お客さんの気に入って頂ける車は他にもありますよ」と答える。
不特定、複数、肯定文なのでsomeが使われる。
私の中では定冠詞のtheは単数の名詞に使われるような勝手なイメージがあったので、単数でも複数でも特定の名詞にはtheを付けることが再認識できた。
また、anyとsomeの使い方も、定冠詞theに対応した関係で使うのだということがわかった。これまでtheとは無関係にanyとsomeを理解していたので新鮮な感じがした。
定冠詞を付けない場合がある
- We go to school.
日常的に行く場所には定冠詞theを付けないそうだ。いつも通っている学校だから特定されている。規則的にはtheを付けるべきところだ。
私の考えるところでは、いくら特定された場所でも当たり前すぎるから、敢えてtheを付ける必要がないからだと思う。会話者の間で当たり前過ぎるものにtheを付けるとうるさく感じてしまうからだろう。
- I play baseball.
- You watch TV.
習慣化された行動ではtheを付けないそうだ。
しかし、この辺りの理屈は曖昧さを感じてしまう。いくら同じ習慣的行為でも、名詞によって一律ではないように思える。
例えば、
- I play the piano.
ピアノなどの楽器の場合は、習慣的な行為でもtheを付けたように記憶している。この点についてAIのGemini先生に訊いてみたいと思う。
I play piano. とI play the piano. の違いを教えてください。
いい質問ですね!この2つの表現は非常に似ていますが、意味合いと使われる場面が少し違います。
“I play piano.”
この言い方は、「ピアノという楽器を弾く活動をしている」という、より一般的な意味合いで使われます。趣味や職業としてピアノを弾いていることを指すことが多いです。
例1: “I play piano, so I know a lot about classical music.” (私はピアノを弾くので、クラシック音楽についてよく知っています。)
例2: “She hopes to play piano professionally one day.” (彼女はいつかプロとしてピアノを弾きたいと思っています。)
“I play the piano.”
こちらの方がより一般的で、「ピアノを演奏する」という行為そのものを指します。特定のピアノについて話しているわけではなく、「ピアノという楽器」を演奏するという意味です。楽器を演奏するという文脈では、通常、定冠詞の “the” を使います。
例1: “I play the piano every day for an hour.” (毎日1時間ピアノを弾きます。)
例2: “Can you play the piano?” (あなたはピアノを弾けますか?)
例3: “He learned to play the piano when he was five.” (彼は5歳の時にピアノを弾き始めました。)
まとめ
“I play piano.” は、「ピアノ弾きである」という活動や身分に焦点を当てた、ややカジュアルな表現です。
“I play the piano.” は、「ピアノを演奏する」という行為そのものを指し、より標準的で一般的な表現です。楽器を演奏する際には通常こちらを使います。
ほとんどの場合、”I play the piano.” を使うのが自然で、より正確です。もし「私はピアノが弾けます」と伝えたい場合は、”I can play the piano.” が最もよく使われます。
どちらの表現を使いたい状況ですか?
うーむ。わかったようでわかりにくい。要するにピアノを弾くということを抽象的にイメージする場合はtheは付けなくて、具体的なイメージの場合はtheを付けるというように理解することにする。
抽象的か具体的かのイメージの違いで使い分ける。そう理解すると、どんな名詞であってもtheを付けるか付けないかの判断ができそうな気がしてきた。theというのはかなり具体的な要素を秘めた言葉のように思える。
冠詞の有無で意味が変わる名詞
ここまで見てくると、定冠詞theがあると具体的な意味を強めるニュアンスが感じられてくる。theが無いのは抽象化されたイメージを伝えたい場合だと想像がつく。
- You are going to prison.
theがないので刑務所という具体的な場所ではなく、prisonに象徴される抽象的なイメージ、つまり警察に捕まって投獄されるというニュアンスだ。
- You are going to the prison.
theによって特定の刑務所を意味する。
- I know three of them.
これは今回かなり新鮮な感覚を受けた使い方だった。
theが無いとthem全員ではなく、themの中の一部という意味だという。
- I know the three of them.
theがあるとthem全員を指すとのことだ。theというのは具体的であるから、曖昧ではないという意味で、きっちりthem全員を指すという理屈だろう。
Theの思い出
定冠詞theで思い出すのが、1960年代の終わりから1970年代にかけてブームになった「グループサウンズ」だ。
- The Carnabeats
- The Golden Cups
- The Spiders
- The Jaguars
- The Tigers
- The Tempters
- The Wild Ones
- The Mops
懐かしい。しかし、theが付かないグループもあった。例えば、
- Village Singers
- OX
- Blue Comets
小、中学生だった私は、theなんかグループ名に付けて、見ているこちらの方が気恥ずかしい思いをした。年上の女の子たちは失神したりしていたけど。私はひがんでいたのかもしれない。
theというのは何だか、居丈高というか自信満々というか、これみよがしの気張ったイメージを持った。要するに実力以上にカッコ付けてる感じだった。
お手本にしたThe VenturesやThe Beatlesのグループ名の真似をしたのかもしれないけど、当時は違和感を持った。
おそらくtheを付けることで、世界に一つしか無い感じを出したかったのかと思う。若者はOnly oneであることを求めたがるから。
思い出しついでに、当時流行っていたテレビドラマに『The Guardman』という番組があった。警備会社のメンバーが事件を解決する刑事ドラマのようなもので、私も夢中になって見ていた。
メンバーの一人ひとりが個性があって、確かに特定のguardmanたちだった。ポテチン。
参考文献:
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